2012年3月11日日曜日

将棋に詳しい方、教えてください! 将棋で入玉ってありますよね? 友達の話を聞い...

将棋に詳しい方、教えてください!

将棋で入玉ってありますよね?

友達の話を聞いてると、

入玉されると詰みにくい、と言ってますが、

僕は常々、

自分の駒がぞろぞろいる

自陣に、敵の玉がわざわざ入ってくるのに、

どうして詰みにくいんだろう?

って思ってます。

どういう理由で、詰みにくいんでしょうか?

初心者なので、理屈がよくわかりません。

どうか

教えてください!


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論より証拠で一回持将棋の棋譜を並べてみることをおすすめします。恐らく一発で理由が分かるはずです。

一例ご紹介しましょう。



図はプロの将棋で持将棋になった対戦の途中図ですが、

>自分の駒がぞろぞろいる自陣に、敵の玉がわざわざ入ってくるのに、どうして詰みにくいんだろう?って思ってます



これを見ると先手から見て左辺は完全に先手の勢力圏内で、(後手の側からすると)自分の駒がぞろぞろ「いない」ことが一目瞭然だと思います。

この将棋はもともと矢倉戦でしたが、矢倉だと玉を金銀三枚で囲いますので、どうしても駒は一方に偏るわけです。「一方に偏る」=「他方は手薄になる」わけですから手薄な方を狙って、と金や成銀でスクラムトライをかければ入玉完成!となります。



本局の終局図はこうなりましたが

http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display&kid=13936

ここではもうぞろぞろどころか、互いに自陣に駒はほとんど残っていません。詰みにくいのも納得してもらえると思います。



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後ろ側に利く駒が少ないことが、その理由です。



将棋の駒は「前に進む」ことが基本的な動きとなります。

もし、相手の王様が自陣に入ってきてしまった場合は、以下の制限がでてきます。

①歩・香車・桂馬は後ろに利きがないので、相手玉を詰ますためには、ほとんど使うことができません。

②金銀は後ろの利きが少ない(銀は2か所、金は1か所)ので、数多く使わないと、相手玉を追いかけることができません。

将棋の終盤は小駒が大きな力を発揮します。その小駒がこのような理由で使いにくくなるので、入玉の王様は詰めにくいことになります。



また、終盤になると、自陣にいる駒は攻め等に使うため、数が少なくなります。

特に両方の飛車が動かない戦形(相居飛車)で、攻め方が飛車を切って攻めたりした場合は、自陣の駒が少なくない、入玉されやすい形になります。

手が進むと徐々に自陣の駒が動いて、空間ができますよね。そこに相手の王様が入ってくると、前述の理由で詰ましにくくなるのです。


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入玉というのは最初から目指すというものではなく対局の終盤に例えば自分の陣地に駒が少なくなってきたときに敵の玉が自陣の薄い部分を突いて侵入してくることです。戦形にもよりますがある程度以上のレベルの将棋ならお互いに玉を左右どちらかに移動させて囲います(多くの戦型において玉が定位置で戦うのは不利に作用することが多いです)。玉の金銀で固めるので自然と反対側は終盤には歩と端の桂や香しか残っていないということは結構出てきます。こうした時入玉は起きやすくなります。また強い人の入玉はしっかりと敵陣をきっちりと整理して玉の安全を図りながら敵陣まで玉が逃亡するような感じです。それからいったん入玉してしまえば(きちんと入玉する付近の場所の敵の駒をあらかじめ掃除していた場合)まず安全です。なぜなら敵陣での攻防ではおおざっぱに言うと相手の攻めを持ち駒(特に歩)を使って受けているうちに玉の周りは金の働きをする成駒でいっぱいになっているという感じです。詰みにくい局面のイメージとしてはすっからかんになっている自陣に玉が侵入してきてその周りを相手の成駒が埋め尽くしているような状況と考えてもらってもいいと思います。


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初期盤面では最下段に自駒が並んでいますから、敵玉が入ってくることはできません。しかし入玉されそうな時は大体200手前後ぐらい指し手が進んでいるものなのです。それぐらい後になると、もう最下段にも何も自駒がほとんど残っていないのです。残っている駒は敵の竜や馬に荒らされて取られてしまっていたり、前線に出払っていたりします。逆に言えば、そういう状態になって初めて入玉の可能性が生まれてくるわけです。将棋の駒はどれも前方に進むようにできていて後方は苦手です。例えば桂香歩は後ろには全く利きがない。一度前に進むと後戻りできないし、後ろに回り込まれるとどうすることもできない。金銀も前方三マスには利きがあるけど、後方にはそれぞれ死角があります。前も後も同じなのは玉と飛車と角だけなのです。ところが飛車と角は障害物があると前にも後ろにも進めないわけです。こういった理由で、かなり手数が進んだ後の盤面が敵味方で入り組んだような局面で、死角をするすると逃げられてしまうと入玉されかねません。適当な持ち駒がないとどうすることもできないこともあります。例えば桂馬なんか100枚持っていても一番下まで入ってこられると王手もかけられません。玉は前にも後ろにも横にも死角が無いから接近戦では最強の駒です。ところが他のすべての駒、飛車・角・金・銀・桂・香・歩はどれも後方に死角があります。こういう駒の性能によって入玉されると詰ませにくくなってしまう。もう一つの大きな理由がある。それは成り駒です。歩は成ると「と金」といって金と同じ性能になります。200手も進むと敵は何枚か歩を持っているものです。そうなると歩が次々と「と金」軍団と化けて玉の護衛部隊になってしまいます。それに対し自分の方は何枚持っていても歩は歩のままです。もたもたしているとあっという間に敵玉の回りは分厚く護衛部隊に守られてしまうということなのです。前線に出払った自駒はなかなか戻れないのですから、これでは勝負になりません。



以上です。入玉されると詰ませにくいのは、駒の性能と成り駒のルールによることなのです。

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